細胞極性

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 細胞極性とは、1つの細胞の中で、細胞の一方の端と反対側の端とが、違う性質をもっていること。たとえば、神経細胞や、上皮をつくっている上皮細胞などはこの性質を持っている。

言語表記発音、読み方
日本語医学細胞極性さいぼうきょくせい
英語cell polarityル・ポリティ
cellular polarityルラー・ポリティ
目次
 

細胞極性の例

神経細胞

 神経細胞は、細胞の本体(神経細胞体または細胞体)から、神経線維軸索)や樹状突起という細い部分が伸び出しているが、細胞を情報が伝わる向きは決まっていて、かならず、樹状突起または神経細胞体から神経線維へ、また、神経線維内では、細胞体から遠ざかるとなっている。細胞体のなかで、神経線維の伸びる方向とそれ以外とで極性があるといえる。

上皮

 上皮は体の中で境界面をつくっているので、上皮細胞の細胞表面は、その境界のどちら側に面している表面かによって、役割が違い、形や構成している物質などが異なっている。たとえば、の内側の粘膜の上皮細胞は、腸の内側(=内腔)に面する側にだけ長い微絨毛がびっしり生えているし、唾液腺の細胞は導管につながる内側の側にだけ、唾液を分泌するようになっている。

カテゴリー: 性質

 
 

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