プロラクチン のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
プロラクチンとは、下垂体の前葉から分泌されるホルモン(下垂体前葉ホルモン)のひとつ。哺乳類では乳腺に乳汁をつくらせる働きが有名だが、乳腺のない、哺乳類以外の脊椎動物でも様々な機能がある。略称は PRL。
ペプチドホルモンで、ヒトではアミノ酸198コがつながった単純タンパク質。成長ホルモンと似ていて、共通の祖先ホルモンから分かれて進化したと考えられている。
下垂体前葉では、ホルモンごとに分泌する細胞が異なるが、プロラクチンを分泌する細胞は、プロラクチン分泌細胞と呼ばれる。プロラクチン分泌細胞は、小型の酸好性細胞で、下垂体前葉の細胞の2~4割を占める。
下垂体からの分泌量の調節では、もっとも大きな影響を受けるのは、視床下部から分泌されるドーパミンで、ドーパミンがたくさん分泌されると、プロラクチン分泌が抑えられる。逆に、プロラクチン分泌を増やす調節因子としては、甲状腺ホルモン刺激ホルモン放出ホルモン(サイロトロピン放出ホルモン)がある。