肥満細胞 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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- 1 (2013-11-08 (金) 10:14:01)
- 2 (2013-11-08 (金) 10:15:20)
- 3 (2013-11-08 (金) 10:15:20)
肥満細胞とは、マスト細胞とも呼ばれる免疫系の細胞で、細胞内にヒスタミンなどが含まれる顆粒を大量に蓄積していて、ヒスタミンを分泌してアレルギー反応を起こす細胞。骨髄の造血幹細胞からつくられる血球系の細胞で、全身の皮膚の皮下組織やそれ以外の粘膜内や粘膜下組織などの結合組織に散らばって、または集まっている。
マスト(mast)とは、森の地面にどんぐりなどの木の実がたくさん降り積もったものを指すことば。ここから、どんぐりなどをたくさん含んだ(ブタに出荷前に食べさせる)肥育用のエサを指す言葉になり、家畜の肥育を指すことばになった。肥満細胞(マスト細胞)の由来は、細胞内に(どんぐりを含んだエサのような)顆粒がたくさん詰まっていて、細胞がまるまると太っていることから。肥満細胞が人間を太らせたり肥満の原因になったりするわけではないし、細胞内に脂肪を蓄える脂肪細胞ともまったくの別物。肥満細胞という名前がまぎらわしいのが誤解のもとなので、マスト細胞や顆粒細胞という呼び方が使われるようになってきている。
アレルギー反応は、IgE(免疫グロブリンE)の放出がきっかけでおこる。肥満細胞はIgEの受容体をたくさんもっていて、IgEに反応して、細胞内の顆粒からヒスタミン、ヘパリンなどを細胞外に放出し、炎症を引き起こす。