線毛 のバックアップ(No.5)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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線毛とは、または繊毛とは、細胞の突起の一種で、細胞膜から生えた細い毛のような構造。線毛はムチを振るような、あるいはヘビがにょろにょろと進むときのような動き方で動くことができ、細胞の周囲の液体に水流を起こせる。1本の線毛は直径 数 nm で、長さが数100 nm 程度まで。通常の(光学)顕微鏡で見ることができる。
* | 「線毛」の漢字は、医学の分野で主に使う。他の分野では、繊毛を使う。異体字を参照 |
** | 1つの細胞に多くの線毛がまとまって生えていることが多いので、複数形を使うことが多い |
線毛の基本構造は、鞭毛と似ていて、微小管を中心とした構造をしている。微小管を構成するチューブリン蛋白質と、ダイニン蛋白質がエネルギーを消費してすべり運動をすることで、線毛の曲がり方が順に変化する。これによって線毛の運動が起こる。
線毛は、ゾウリムシなどの単細胞生物に生えているのが有名だが、人体ではさまざまな場所の上皮細胞に生えている。
鞭毛は、線毛と似ているが、1本だけ生えていて太い。精子の鞭毛など。
繊毛や線毛は大きく違うので要注意。
* 「線毛」はcilia であり微小管 microtubule でその骨格を構成されており、線毛運動をする。気管、気管支で見られ、光学顕微鏡でも可視化できる。一方、「繊毛」は villi であり、アクチン繊維 actin filament/microfilament でその骨格を構成されており、小腸などの吸収面積を広げるための構造であり、線毛よりも細く小さいため光学顕微鏡では細部まで可視化できない。 |