大胸筋
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
大胸筋とは、胸部の前面のもっとも表層にある大きな筋。扇形に広く広がる筋で、筋肉の起こる起始の部位は、上は鎖骨から胸骨、下は腹直筋の上端付近まで長くつらなる。停止側は上腕骨の上部の前面の比較的狭い範囲(大結節稜)に、扇のカナメのように集まる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 大胸筋 | だいきょうきん |
英語 | greater pectoral muscle | グレイター・ペクトーラル・マッスル | |
pectoralis major (muscle) | ペクトラリス・メイジャー(・マッスル) | ||
ラテン語 | musculus pectoralis major | ムスクルス・ペクトラリス・マヨール |
起始と停止 †
大胸筋は、起始の違いにより、3つの部位に分かれる。上から鎖骨部、胸骨部、腹部という。鎖骨部の起始は、鎖骨の内側の半分、胸骨部の起始は胸骨とその近くの肋軟骨(第6とそれよりも上の肋軟骨)、腹部は腹直筋鞘(腹直筋を包む厚い筋膜)の前葉の上端部。停止は、上腕骨の上部の大結節から下方に続く大結節稜。
働き †
大胸筋の機能は、上腕を体に引き付け(=内転)、内方に回転(=内旋)させるはたらきがある。
神経と血管 †
支配神経は、小胸筋とともに、腕神経叢の胸筋神経(内側胸筋神経と外側胸筋神経)。血液は、大胸筋