末節骨

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 末節骨とは、末節にあるで、指の骨(指節骨)のうち、最も指の先の部分にある骨。長骨だが、平たくて小さい骨。

言語表記発音、読み方
日本語医学末節骨まっせつこつ
遠位指節骨えんいしせつこつ
英語単数distal phalanxディスタル・ファンクス(フェイランクス)
複数distal phalangesディスタル・ファンジーズ
ラテン語単数phalanx distalisプファランクス・ディスタリス
複数phalanges distalesプファランゲス・ディスタレス
- 末節骨は、手の指にも足の指にも使えることば。手か足のどちらかだけを指すときには、「手の」末節骨、「足の」末節骨といえばよい
- 英語・ラテン語の名前も手と足の両方に使える。手や足だけを特定するときには、英語では、"~ of hand" "~ of foot"を、ラテン語では、"~ manus" "~ pedis" をつければよい
- 末節の英語・ラテン語も同じ

 末節骨は全部の指にあるので、片側の手に5個、足にも5個、体全体では、両側の手足あわせて20個の末節骨がある。それぞれの指の末節骨を区別するときには、その指の番号をあたまにつける。親指の末節骨は第1末節骨、薬指の末節骨は第4末節骨など。

- 末節骨のことを、「第3指節骨」(親指の場合は第2指節骨)という言い方もある(下の「番号を使う別名」)が、指の番号をつけるときに混乱しやすいのであまりおすすめではない

末節骨のつくる関節

 指の根元側では別の指節骨と関節指節間関節、IP関節)をつくっている。手も足も、親指以外の4本の指では、指の骨(指節骨)は3本ずつある。末節骨と関節をつくる相手側の骨は、中節骨である。末節骨と中節骨との間の関節は、遠位指節間関節(DIP関節)と呼んで、中節骨と基節骨の間の近位指節間関節(PIP関節)と区別している。一方、親指(=母指)では、指の骨は2個なので、末節骨は基節骨と関節を作っている。この関節はたんに指節間関節(IP関節)と呼ばれる。

番号を使う別名

 指節骨を、指の根元から順に第1、第2、第3という番号で呼ぶこともある。この呼び方では、末節骨は母指(親指)以外では第3指節骨、母指では第2指節骨になるので、注意が必要。母指では指節が他の指よりもひとつ少ないことによる。

母指以外の末節骨

言語表記発音、読み方
日本語医学第3指節骨、第三指節骨だい3しせつこつ
英語thrid phalanx, phalanx IIIード・ファンクス(フェイランクス)
ラテン語phalanx tertia, phalanx IIIプファランクス・テルティア

母指の末節骨

言語表記発音、読み方
日本語医学第2指節骨、第二指節骨だい2しせつこつ
英語second phalanx, phalanx IIカンド・ファンクス(フェイランクス)
ラテン語phalanx secunda, phalanx IIプファランクス・セクンダ

 ひとさし指の中節骨のことを、第2中節骨という呼び方をすることがあるので、そのときにこの呼び方では指節の番号と指の番号が紛らわしいことがある。

 

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