指節間関節
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
指節間関節とは、指の途中にある関節のこと。指の関節から関節までの間の部分を指節という。「指節の間の関節」の意味。指節間関節は、手足の親指(=母指)には1個、手足の親指以外の指には2個ずつある。基節骨と中節骨による形成を近位指節間関節。中節骨と末節骨による形成を遠位指節間関節という。蝶番関節。
用語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 指節間関節 | しせつかんかんせつ |
IP関節* | アイ・ピーかんせつ | ||
一般 | 指の関節 | ゆびのかんせつ | |
英語 | interphalangeal joint** | インターファランジアル・ジョイント | |
IP joint* | アイ・ピー・ジョイント |
指節間関節の構造 †
指節間関節は、関節の分類でいうと蝶番関節(ちょうつがいかんせつ)。指を曲げたり伸ばしたり(屈曲と伸展)、という1方向だけに運動できる関節である。つまり、指の途中の関節(指節間関節)は指の間を開いたり閉じたり(外転と内転の組み合わせ)の運動には関与しない。「指の間を開いたり閉じたり」の運動に関与するのは指の付け根の関節(中手指節関節と中足指節関節、MP関節)が主。
指節間関節の種類 †
手と足の指節間関節を区別するときには、手の指節間関節、足の指節間関節、趾節間関節などを使う。
それぞれの指に2つある指節間関節は、指の指節骨どうしをつなぐ関節で、基節骨と中節骨の間の関節を近位指節間関節(PIP関節)、中節骨と末節骨との間の関節を遠位指節間関節(DIP関節)と呼んで区別する。親指の途中の関節は1個しかないので、これは単に指節間関節という。略称である PIP関節、DIP関節は、proximal IP関節(proximal=近位)、distal IP関節(distal=遠位)の意味。
指の付け根の関節は、指節間関節とはいわない。片方が指節骨ではなく、中手骨(手の場合)や中足骨(足の場合)なので、中手指節関節や中足指節関節という。