混合神経
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
混合神経とは、または混合性の神経とは、体中を走る末梢神経をつくる神経のうち、運動線維、感覚線維、自律線維のうち、2つ以上を含む神経のこと。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 混合神経 | こんごうしんけい |
英語 | mixed nerve | ミックスト・ナーヴ | |
ラテン語 | nervus mixtus | ネルウス・ミクストゥス |
脳神経の混合神経 †
末梢神経系のうち、脳神経は種類ごとに運動線維、感覚線維、自律線維のどれを含むかが決まっている。第I脳神経から第XII脳神経のうち、混合神経は以下の神経である。
- 動眼神経(第III脳神経)
- 運動線維、感覚線維、自律線維
- 三叉神経(第V脳神経)
- 運動線維、感覚線維
- 顔面神経(第VII脳神経)
- 運動線維、感覚線維、自律線維
- 舌咽神経(第IX脳神経)
- 運動線維、感覚線維、自律線維
- 迷走神経(第X脳神経)
- 運動線維、感覚線維、自律線維 これ以外の脳神経は、感覚線維だけ、または運動線維だけを含む。
脊髄神経の混合神経 †
脊髄神経は、ほとんどの場合、運動線維と感覚線維の両方を含み、自律神経を含むものも多いので、混合神経である。脊髄から離れるにしたがって、脊髄神経は枝分かれし、筋に向かう神経、皮膚に向かう神経が分かれる場合があるが、このときも筋を運動させる運動線維以外にも筋や腱の感覚を伝える感覚線維、筋の血管を収縮させる自律線維なども含むし、皮膚にも皮膚の感覚を伝える感覚線維の他に、毛を逆立てる立毛筋や汗を分泌させる汗腺をコントロールする自律線維も含むので、たいてい混合神経である。