汗腺
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
汗腺とは、皮膚から汗を分泌する外分泌腺。汗が分泌されると皮膚の表面が汗の水分でぬれ、これが蒸発するときに気化熱を奪うため、皮膚を冷却する効果がある(皮膚が冷えると皮膚の血管を通る血液が冷やされるので、体温を下げる効果が大きい)。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 汗腺 | かんせん |
英語 | sweat gland | スウェット・グランド | |
sudoriferous gland* | スドリフェラス・グランド | ||
ラテン語 | glandula sudorifera* | グランドゥラ・スドリフェラ |
* | sudoriferous、sudorifera は、sudor(汗) + fer(運ぶ)を合成したラテン語由来の言葉 |
枝分かれのほとんどない長い管状の腺(単純管状腺)で、その一番奥が汗の分泌部で残りの管は導管。分泌部は真皮の深層から皮下組織にあり、管がくねくねと蛇行している。そこから長い導管が直線状にのび、真皮、表皮をつらぬいて、皮膚の表面まで続く。
2種類ある。エクリン汗腺(小汗腺)は体中どこの皮膚にもあり、水っぽい通常の汗を分泌する。アポクリン汗腺(大汗腺)は脇の下(腋窩)、肛門の周囲、耳の穴(外耳道)、まつげ(睫毛)のところなど、決まった場所だけにあり、その場所の毛の根元(毛包)に、有機物を多く含む汗を分泌する。エクリン、アポクリンとは、それぞれのタイプの汗腺の分泌形式が、エクリン分泌、アポクリン分泌であることから。