三叉神経
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
第5脳神経、CN Vでこの項目を参照しています
三叉神経とは、第5脳神経(第V脳神経)。12対ある脳神経のうち、前から5番目で、脳幹の橋の下面(橋底部)のなかばから出る。脳を出たところで3つに分かれることから名前がついた。主な機能は、顔の感覚(皮膚知覚、目鼻口歯舌などの知覚)を脳に伝えることと、ものを噛むあごの筋(咀嚼筋)の運動を起こすこと。混合性の脳神経。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 三叉神経 * | さんさしんけい、さんしゃしんけい |
第5脳神経、第V脳神経 | だい5のうしんけい | ||
略語 | CN V | スィ―・エヌ・ファイブ | |
英語 | trigeminal nerve | トリジェミナル・ナーヴ | |
fifth cranial nerve, cranial nerve V | フィフス・クレイニアル・ナーヴ | ||
ラテン語 | nervus trigeminus | ネルウス・トリゲミヌス |
* | 三叉神経の 叉 は、「先が分かれている」という意味。しかし、叉 が常用漢字でないため、読み方が同じで意味が似ている 差 で置き換えることが多い(例:交叉点 → 交差点)。しかし、三叉神経は、三差神経とは書かないので注意。錐体交叉も参照 |
3つに分かれた枝は、前方の枝から、第1枝(眼神経)、第2枝(上顎神経)、第3枝(下顎神経)という。頭蓋腔からでるときはそれぞれ上眼窩裂、正円孔、卵円孔を通る。これらはいずれも蝶形骨に開いた穴。
顔の感覚を伝える神経線維は、3つの枝を通るが、咀嚼筋の運動を伝える神経線維は第3枝の下顎神経だけをとおる。