腹膜内器官
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
腹膜内器官とは、または腹膜内臓器とは、腹部にある内臓(=腹腔内器官)のうち、腹膜腔の中に飛び出して存在していて、その器官の表面の大部分を腹膜に包まれている器官のこと。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 腹膜内器官 | ふくまくないきかん |
腹膜内臓器 | ふくまくないぞうき | ||
英語 | intraperitoneal organ(s) | イントゥラ-ペリトゥニーアル・オーガン(ズ) |
おなかの中にある器官(臓器)は、腹腔という空間に入っているので、腹腔内器官という。腹腔内のすべての壁には腹膜が張り付いている。腹膜内器官とは、腹腔内器官のうち、胃、脾臓、空腸と回腸(小腸の一部)、横行結腸(大腸の一部)などのことだが、腹腔の中で、まわりの壁から離れているため、器官の表面をほぼ完全に腹膜で包まれている。また、腹膜や出入りする血管などはその器官についている間膜を経て、他の部分とつながっている。
それに対して、腹腔内器官のうち、腹壁にくっついている、あるいは埋まっているものは、その器官の腹腔に面する側に盛り上がった部分だけが腹膜で覆われている。これには、膵臓、十二指腸、上行・下行結腸など多くの器官が含まれ、後腹膜器官(=後腹膜臓器)と呼ばれる。