錐体
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
錐体とは、一方向が細くとがった形(円錐の形)をしているものにつけられる名前。体内で錐体と呼ばれている構造は、側頭骨の錐体、延髄の錐体、眼球の網膜の錐体などいくつかある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 錐体 | すいたい |
錐体に相当する英語は、場合によって pyramid、cone など |
錐体のことを錘体とは書かない。錐と錘は違う形を表す字で、錐は一方向が細くとがって反対側が太くなっている「円錐形」なのに対し、錘は中央が太くて両側が細くなっている「紡錘形」を指す。
錐体の例 †
- 側頭骨の錐体
- 頭蓋骨のひとつである側頭骨の部位の名前。耳の奥のあたりで、側頭骨が厚くなった場所(側頭骨岩様部)にあって、その内部には中耳や内耳が埋まっている。
- 延髄の錐体
- 脳の延髄の部位名。延髄の前面(腹側)にあり、主に神経線維の束でできている。錐体路、錐体外路系、錐体交叉などは、これに関係した名前。
- 眼球の錐体、錐体細胞
- 錐状体ともいう。眼球の網膜にある光受容細胞(視細胞)のひとつで、細胞体とそこから区別できる光受容部からなる。細胞全体を錐体細胞、光受容部だけを錐体と呼ぶことが多い。もう1種類の光受容細胞は杆体(=杆状体)。
- 大脳皮質の錐体細胞
- 大脳皮質にある大型の神経細胞で、皮質の外にまで神経線維をのばす細胞。
カテゴリー: 形