ドパミン のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
ドパミンとは、一般にはドーパミンとも呼ばれる低分子の化学物質で、体内では、一部の神経細胞(ニューロン)でつくられ、神経伝達物質などとしてはたらく。
ドパミンは、体内では、アミノ酸のチロシンから作られ、ドパミンから更にノルアドレナリン、アドレナリンが作られる。ドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどは、アミノ酸誘導体、モノアミン類などと呼ばれるグループの物質。
ドパミンは、神経伝達物質としてニューロン間の情報伝達に使われるほか、視床下部ニューロンから分泌される局所的なホルモンとしてもはたらく。ドパミンを神経伝達物質として使っている神経細胞を、ドパミン作動性ニューロン(ドパミン・ニューロン)と呼ぶ。ドパミン作動性ニューロンは、中脳の黒質に細胞体があって、その神経線維が大脳の線条体に到達するものがある。中脳黒質のドパミン作動性ニューロンは、運動の調節に関係していて、この機能が衰えることがパーキンソン症に関係する。一方、間脳の視床下部に細胞体があって、神経線維が間脳底の正中隆起や下垂体に到達するものは、下垂体に作用して、下垂体前葉ホルモンのひとつ、プロラクチンの分泌を抑制する、プロラクチン抑制ホルモンとしてはたらく。