ベル=マジャンディの法則
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
ベル=マジャンディの法則とは、または、ベルの法則とは、脊髄神経が脊髄とつながる部分である、脊髄神経の前根と後根を通る神経線維の性質についての法則で、前根を通るのは遠心性(運動性)の神経で、後根を通るのは求心性(感覚性)の神経であるという原則のこと。この法則は、現在でも(厳密には例外がみつかっているが)、ほぼ成り立っている法則である。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | ベル=マジャンディの法則 * | ベル-マジャンディのほうそく |
ベルの法則 | ベルのほうそく | ||
英語 | Bell-Magendie law | ベル・マジャンディ・ロー | |
Bell law | ベル・ロー |
* | 2人の名前をつなぐ記号は、「=」「-」「・」などが使われる |
イギリスの医師・解剖学者のチャールズ・ベル Charles Bell とフランスの生理学者のフランソワ・マジャンディ François Magendie がそれぞれ別々に見つけて提唱した性質なので、2人の名前で呼ばれるか、最初の発見者のベルの名前で呼ばれる。
脊髄から出る末梢神経は、脊髄神経といい、全部で31対ある。それぞれの脊髄神経は、脊髄とくっつく部分で2つに分かれ、1つは脊髄の前方(腹側)につながるので、脊髄神経前根と呼ばれ、もう1つは脊髄の後方(背側)につながるので、脊髄神経後根と呼ばれる。
前根を通る神経線維は、脊髄前角の運動ニューロンから出て、全身の筋に行く軸索や、脊髄の側角の自律性ニューロン(交感神経の節前ニューロン)から出て交感神経節に向かう軸索など、脊髄から出ていく(=遠心性の)神経線維である。一方、後根を通る神経線維は、皮膚や筋、内臓などの感覚を脊髄→脳へと伝える(=求心性の)軸索である。