交感神経 のバックアップ(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 交感神経(こうかんしんけい、sympathetic nerve)、または交感神経系(こうかんしんけいけい)とは、内臓の機能などを体が自動的に調節する働きをもっている自律神経系のうちのひとつ。もうひとつの副交感神経と交感神経は反対の作用をもち、お互いの活動のバランスで、内臓機能を調節している。「交感」sympathetic とは、共感の意味で、体のいろいろな場所や器官などの機能の間に、相互に関連する共通の調節を行うことから付けられた。

 交感神経はもう一つの副交感神経とあわせて、通常の筋(骨格筋)の運動などをのぞく、本人の意識にのぼらない内臓などの機能を調節する末梢神経系で、中枢神経系脊髄)の司令を伝える遠心性神経である。頭部から胸部腹部などの多くの内臓機能の他、全身の皮膚からの分泌毛包立毛筋の運動(鳥肌)、全身の血管(特に動脈)の収縮なども調節している。おおざっぱな傾向として、交感神経の働きは、体を活動的にし、緊張させ、運動に適した状態にする。副交感神経は逆に体をリラックスさせ、休息させる。

 副交感神経と同じく、中枢神経系と対象となる器官との間を2つのニューロンでつないでいる経路で、交感神経の1つ目のニューロン(節前ニューロン)は、神経細胞体脊髄のうち、胸髄腰髄側角にあり、そこから伸びる軸索脊髄前根を通って、交感神経節まで到達する。交感神経節には2つ目のニューロン(節後ニューロン)の細胞体があり、ここから対象となる器官に軸索がとどく。したがって、交感神経は、脊髄の胸髄や腰髄から出る脊髄神経と部分的に一緒に走行する。交感神経節は、脊柱に沿って胸部から腹部にかけて連なって交感神経幹をつくり、また、腹大動脈周辺ではいくつかの神経叢をつくる。

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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