輪状ひだ のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
ケルクリングの輪状ひだとは、小腸の内側の表面に多数あるひだで、小腸の横断面の方向に走る。粘膜全体が「蛇ばら」のように折り畳まれている。小腸内を消化物が通過するとき、小腸の平滑筋層は収縮・弛緩をくりかえすので、小腸の壁は伸びたり縮んだりする。小腸の粘膜がこれに対応できるように折り畳まれている。
小腸のすべて(十二指腸、空腸、回腸)にあるが、大腸にはない。大腸には完全な輪状にならず部分的な「半月ひだ」がある。
小腸の壁のうち、外側に近い筋層はひだに関係なくまっすぐだが、内側の粘膜全体がおれまがりひだをつくっている。それらの形の違うすき間を埋め、ひだの土台をつくっているのは粘膜下組織である。