回旋 のバックアップ(No.2)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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- 1 (2012-07-04 (水) 17:40:11)
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回旋とは、解剖学で回転運動の方向を示す言葉で、位置が変わらずにその場で回転だけをするような運動を指す。ある構造が回転するとき、それ自体が回転の中心(回転軸)になっていると、回転によってその構造の位置が変わらない。例えば、ドライバー(ネジ回し)でネジをしめるときのドライバーの動きを回旋と呼ぶ。一方、コンパスで円を描くときのコンパスの動きは、コンパス本体が回転の中心になっておらず、回転によってコンパスの位置が動くので、回旋とは呼ばない。
体では、上の例のネジ回しを長管骨(長骨)に置き換え、骨の長い方向を回転軸にする運動を回旋という。肩関節や股関節の運動で、上腕骨や大腿骨の位置が変わらず、その場で回転する運動の向きが回旋。肩関節や股関節が球関節なので、この運動が可能になっている。回旋の向きには、内旋と外旋がある。
前腕の回転(回内、回外)は、外見的には位置が変わらない回転にみえるが、内部では橈骨と尺骨がお互いの位置をずらしながらねじれる運動で、骨がその場で回転するわけではないので、ふつうの回旋とは違う。
眼球の運動では、眼球の前後軸を中心とした回転、つまり、視線の向きが変わらないような眼球の回転が回旋と呼ばれる。この動きは意識的にはできないが、顔を傾けると眼球がそれを打ち消すように逆向きに回旋する。