肘関節 のバックアップ(No.6)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 肘関節とは、にある関節で、の曲げ伸ばし(屈曲伸展)を行うときにはたらく関節。上腕前腕との間にあり、上腕骨と、前腕の骨である尺骨橈骨が作っていて、とくに上腕骨と尺骨の役割が大きい。肘関節を曲げたときにとびだす側を肘(とくに肘頭)と呼び、屈曲した際の内側を肘窩という。

言語表記発音、読み方
日本語医学肘関節ちゅうかんせつ、ひじかんせつ
英語elbow jointルボウ・ジョイント
cubital jointキュービタル・ジョイント
ラテン語articulatio cubitiアルティクラティオ・クビティ

 肘関節では、上腕骨尺骨橈骨の3本のが同じひとつの関節包に包まれているが、その内部には3つの関節がある。腕尺関節腕橈関節上橈尺関節である。これらをまとめて肘関節という。肘関節は、肘関節の外側と内側から、外側側副靭帯内側側副靭帯に支えられる。

腕尺関節
前腕屈曲伸展の運動を支える、もっとも重要な関節で、上腕骨尺骨がつくる。上腕骨の下端の上腕骨滑車(円柱状になっている)を、尺骨の滑車切痕(深くくぼんでいる)が囲んでいる。上腕骨滑車と滑車切痕との形から、一方向の曲げ伸ばしの運動しかできない。その構造は、蝶番関節に分類される。
腕橈関節
上腕骨橈骨がつくる関節。肘関節の運動にはあまり大きく影響しない。橈骨の上端にある橈骨頭の上面の平らな部分と、上腕骨小頭がつくる。腕橈関節だけでは、球関節のように自由に運動できるが、隣にならんでいる腕尺関節の制約によって、あわせて蝶番関節としてはたらく。
上橈尺関節
肘関節の関節包に包まれている関節だが、の曲げ伸ばしには関与しない。橈骨尺骨との間にある2つの関節のうちのひとつで(もうひとつは、手首にある下橈尺関節)、どちらも橈骨と尺骨との間の回転を行う車軸関節。これらは、前腕をひねる運動(回外回内)のときにはたらく。

カテゴリー: 上肢 | 上腕 | 前腕 | 運動器系 | 骨格系 | 関節

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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