肺静脈
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
肺静脈とは、肺と心臓をつないでいる血管のうちの静脈のこと。肺で酸素を補給された血液が、心臓に戻るときに通る血管。肺静脈は、左右2本ずつ、全部で4本あり、左右の肺のそれぞれの肺門から2本ずつの血管として出て、4本の肺静脈のすべてが心臓の左心房に直接つながっている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 肺静脈 | はいじょうみゃく |
英語 | pulmonary vein | パルモナリー・ヴェイン | |
ラテン語 | vena pulmonalis | ウェナ・プルモナリス |
心臓から肺に送られて、心臓に戻る血液の流れは、肺循環(または小循環)という。肺静脈は肺動脈とともに肺循環を行う血管。肺静脈を通る血液は、肺で二酸化炭素を放出し、酸素を補給された、いわゆる「動脈血」である。肺静脈から心臓の左心房に入った血液は、その後、左心室から全身に送られる。
4本の肺静脈は、左/右、上/下の並び方によって区別され、左上肺静脈、左下肺静脈、右上肺静脈、右下肺静脈と呼ばれる。左右の肺と心臓は左右に隣り合っているので、肺静脈は横方向に走るごく短い血管である。心臓と肺のあたりには肺静脈と直交するように上下方向に走る血管がある。大動脈(胸大動脈)は、心臓と左肺の間で、肺静脈よりも後方(背側)を通る。上大静脈、下大静脈は、心臓と右肺の間で、肺静脈の前方(腹側)を通る。