脚 のバックアップ(No.1)
脚とは、英語のleg レッグに対応した言葉。2とおりの意味で用いられる。
下肢に関係する部位名として †
「あし」の部分を指すことばとして使われる。ただし、あしのどの部分を指すかが場合によって異なることがあるので、あしを指すときには、使いにくい言葉。
「あし」全体 †
普通の使い方。(1) 太もも(=大腿)と、(2) すね(膝(ひざ)からくるぶしまで = 下腿)および (3) くるぶしよりも先(=足)を全部あわせたものを脚と呼ぶ。
この用法で使いたいときには、おなじ「あし」全体を指す下肢を使ったほうがよい。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 下肢 | かし |
自由下肢 (*1) | じゆうかし | ||
一般 | 脚、肢 (*2) | あし | |
動物 | 後肢 (*3) | こうし | |
英語 | lower limb | ロワー・リム | |
英語 | free part of lower limb (*4) | フリー・パート・オブ・ロワー・リム |
*1 股関節から先の自由に動く部分だけをさすときに使う言葉。股関節よりも胴体(体幹)側の部分には、下肢を支える骨が下肢帯をつくっている。広い意味での下肢はそっちも含む
*2 解剖学では、下肢の意味で「あし」といわないほうがよい。足(あし)といえば、足首から先の部分だけのことを指す
*3 動物の上肢、下肢は、前肢、後肢という。ヒトでは前肢、後肢は使わない
*4 「自由下肢」に対応する英語
すねの部分だけを指す †
どちらかというと特殊で厳密な使い方。下肢全体を、太もも(Thigh)、すね(leg)、足(foot)と区分けしたときの、すねの部分。すねの部分をさす言葉には、下腿という用語があるので、そちらをつかったほうがよい。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 下腿 | かたい |
一般 | 脛、臑 (*1) | すね | |
脛 (*2) | はぎ | ||
脚 (*3) | あし、きゃく | ||
英語 | crus | クラス | |
leg (*3) | レッグ |
*1 むこうずね(向こう脛)
*2 ふくらはぎ(脹脛)
*3 動物の上肢、下肢は、前肢、後肢という。ヒトでは前肢、後肢は使わない
*4 脚、leg は下腿を指す言葉だが、下肢全体をさすこともある
あしのような形の構造 †
「あし」のような形をした構造に対して、「~脚」という名前がつけられていることがある。「あし」の形とは、なにかの構造の下端が、2つに分かれて足を踏ん張るようになっている様子をさす。具体例としては、
- 右脚(うきゃく)、左脚(さきゃく)、横隔膜(おうかくまく)の~
- 右脚(うきゃく)、左脚(さきゃく)、房室束(ぼうしつそく、ヒス束)の~
- 前脚(ぜんきゃく)、後脚(こうきゃく)、内包(ないほう)の~
- 陰茎脚(いんけいきゃく)
- 小脳脚(しょうのうきゃく)
- 大脳脚(だいのうきゃく)