正中 のバックアップ(No.3)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 正中とは、何かの中央、とくに左右の中心のこと。ヒトの体全体についていうときの正中とは、右半身・右半身をちょうど等しく分けるような、頭部から体幹にかけて、左右の中心線をさす。その他、上肢下肢でも正中を使う。

言語表記発音、読み方
日本語医学正中せいちゅう
英語median*ディアン
* 統計学でつかう「中央値(メディアン、メジアン)」と同じ言葉(中央値とは、数字がいくつかあるとき、その数字を大きさの順に並べて、はじから数えていって、全体の半分の個数のところにある、ちょうど中間の数字の値のこと)

体の正中

 正中の位置で、体を右と左の2つの部分に分けるような断面を正中面(正中矢状面)、正中面をつくるような切断のやりかたを正中断(正中矢状断)という。

 正中断、正中面は、矢状断矢状面のうちの特殊な一種である。矢状断は、体を左右2つに切断するような断面をすべていうので、断面の位置を左右へ少しずつずらせば、無数の異なった矢状面が得られる。そのうち、ちょうど左右のどまんなかの1枚の断面が正中面である。

「正中」のつく構造の例

正中神経
正中神経(median nerve ディアン ーブ)は、から先(=前腕)の一部の皮膚感覚の運動を支配する神経。前腕で、橈側尺側のちょうど中間、つまり前腕の中央(正中)を通るのでこう呼ばれる。
第4脳室正中口(マジャンディ孔)
第4脳室の中央、小脳の下方にある穴。脳室(=の内側の空洞)と、くも膜下腔(=脳の外側のすき間)をつなぐ穴で、第4脳室の背側中央にある。

カテゴリー: 位置

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。