三角筋
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
三角筋とは、肩関節を覆って肩の丸みをつくる筋で、おもに上腕を左右に上げる(=上腕の外転)の働きをする。鎖骨と肩甲骨から起こり、上腕骨に停止する。腕神経叢から出る腋窩神経の支配を受ける筋。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 三角筋 | さんかくきん |
英語 | deltoid (muscle) * | デルトイド(・マッスル) | |
triangular muscle | トライアンギュラー・マッスル | ||
ラテン語 | musculus deltoideus * | ムスクルス・デルトイデウス |
* | deltoid、deltoideus は「デルタ形の」の意味で「三角形のもの」を指す。デルタはギリシャ語のアルファベット4番目の文字(D にあたる)で、大文字が Δ 、小文字が δ |
三角筋は、鎖骨、肩甲骨という上肢帯の骨から起こるので、上肢を支える上肢帯の筋に分類される。
三角筋は広い場所から起こる横幅の広い筋で、3つの場所から起こる、3つの部分に分けて考える場合がある。
これらは全体として肩関節を覆うように走り、上腕骨の上半分の外側部(三角筋粗面という場所)に停止する。
働きは、全部が収縮すると上腕を外側に上げる(肩関節を外転させる)働きがあるが、前部が収縮するときは上腕の内旋や屈曲(前方挙上)、後部が収縮すると上腕の外旋や伸展(後方挙上)を助ける。
図:三角筋の位置(右の肩を前から見たところ) *1 図の水色( )の筋が右の三角筋 |
図:三角筋の位置(右の肩を後ろから見たところ) *2 図の水色( )の筋が右の三角筋 |
図:三角筋の3つの部位とつながっている骨(右の肩を前から見たところ) *3 三角筋は、3色に塗り分けられている。前部(鎖骨部)が黄色( )、中部(肩峰部)が深緑色( )、後部(肩甲棘部)が水色( )。 前から見ると、三角筋の前部=鎖骨部(黄色 )が、鎖骨(黄緑色 )の外側部から起こるのがわかる。三角筋の 3つの部分はどれも上腕骨(ピンク色 )の外側に停止する |
図:三角筋の3つの部位とつながっている骨(右の肩を後ろから見たところ) *4 三角筋は、3色に塗り分けられている。前部(鎖骨部)が黄色( )、中部(肩峰部)が深緑色( )、後部(肩甲棘部)が水色( )。 後ろから見ると、三角筋の後部=肩甲棘部(水色 )が、肩甲骨(紫色 )の肩甲棘から起こるのがわかる |
図:三角筋の3つの部位とつながっている骨(右の肩を右斜め上から見たところ) *5 三角筋の3つの部位のうち、前部=鎖骨部(黄色 )は、鎖骨(黄緑色 )の外側部から起こる。三角筋の中部=肩峰部(深緑色 )は、肩甲骨(紫色 )の肩峰から、三角筋の後部=肩甲棘部(水色 )は、肩甲骨(紫色 )の肩甲棘から起こる。 三角筋の3つの部分はどれも上腕骨(ピンク色 )の外側に停止する |
*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*2 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*3 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*4 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*5 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本