『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~

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 とは、またはとは、女性生殖器系器官で、骨盤内にある。子宮と体外とをつなぐ管状の構造をしている。子供を産む(分娩)時には、子宮から胎児がでていくときにとおるし、性交時には陰茎が入ってくるなど、壁は厚く弾力性があり、壊れにくくなっている。

言語表記発音、読み方
日本語医学 *ちつ
英語・ラテン語vagina(英語読み)ヴァジャイナ
(ラテン語読み)ウァギナ、ワギナ
*  は、どちらでも使える。異体字の項目を参照。

腟の部位と周囲の構造

 腟はつぶれた筒状の、伸び縮みできる器官で、体外につながっている入口を腟口、一番奥の行き止まりを腟円蓋という。腟円蓋の近くに子宮につながる穴があいている。腟の側からみたときのこの穴は外子宮口、その奥は子宮頚管内子宮口へとつながる。子宮頚管は子宮の入り口の内腔(内側にある空洞の部分)が狭い場所のこと。腟口のまわりは腟前庭で、ここには外尿道口などがある。

 腟があるのはお腹の中(腹腔)のうち、一番下の部分、骨盤の内側(骨盤腔)である。腟の前方には膀胱が、下部では膀胱につながる尿道がある。腟の後方には直腸がある。腟口は骨盤の下の出口(骨盤底)にあるが、骨盤底の前部にはいくつかの筋肉でできた壁である尿生殖隔膜がある。つまり、腟は尿生殖隔膜をつっきっている。

腟の壁の構造

 膣の壁は、性交や分娩でも壊れないように強くできている。内側に近い側から、粘膜筋層外膜の3層構造になっていて、それぞれが壁を強くするのに役立っている。

 粘膜は、内側の粘膜上皮とその外側で結合組織でできた粘膜固有層がある。上皮は、重層扁平上皮でできていて、これはの中(口腔)や食道と同じで、ある程度かたいものにぶつかったり、引っかかれたりするような力が加わってもそれに耐えることができる上皮である。粘膜上皮の表面を覆っている粘液は腟から分泌されるのではなく、子宮頚部にある子宮頚腺から分泌された粘液が腟に流れてきて、表面を覆っているもの。結合組織の粘膜固有層は、弾性線維などの線維が多く、腟の弾力性をつくるのに役立っている。腟の筋層は、平滑筋層で、などの内臓と同じく、意志の力で収縮できない不随意筋である。外膜は、線維の多い結合組織の層で、他の器官との間を埋めている。

カテゴリー: 生殖器系 | 女性生殖器系 | 器官 | 腹部

 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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