胆汁
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
胆汁とは、肝臓で作られ、十二指腸に分泌される消化液。肝臓と十二指腸は胆管でつながれ、胆管が途中で枝分かれしたところにある胆嚢で、胆汁は一旦貯められて、濃縮される。脂質を吸収しやすくする働きのある胆汁酸が主成分。また、古くなって分解された赤血球のヘモグロビンからできたビリルビンなどの色素(胆汁色素)も含む。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 胆汁 | たんじゅう |
英語 | bile | バイル | |
gall | ゴール |
胆汁は、肝臓の肝細胞でつくられる。胆汁の主成分はコレステロールから作られる、胆汁酸と呼ばれるステロイドで、この物質が水にも油にも溶けやすいので、消化物に含まれる脂質とともに乳化物(ミセル)の粒子をつくるので、脂質とともに小腸から再吸収される。他に、脾臓などで壊された古い赤血球のヘモグロビンが分解され、ビリルビンとして肝臓に集められて胆汁に排出される。ビリルビンなどを胆汁色素という。便の色は、胆汁の胆汁色素の色。
肝臓で分泌された胆汁は肝臓内の細い胆管を通して集められ、肝臓から肝管→胆嚢管を通って胆嚢に運ばれる。胆嚢と十二指腸は、胆嚢管→総胆管でつながっているが、十二指腸の中に消化物が通ると、総胆管の出口のオッディの括約筋がゆるみ、膵臓から分泌された膵液とともに十二指腸に分泌される。