胸腺

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 胸腺とは、胸部心臓の少し上にある器官リンパ系の器官で、Tリンパ球(=T細胞)ができるところ。Tリンパ球の「T」は胸腺(thymus)の「T」。

言語表記発音、読み方
日本語医学胸腺きょうせん
英語thymus *イマス
* thymus gland とも呼ぶが、gland はあまりつけない

 胸腺は胸腔内臓で、肋骨に囲まれた胸腔内にある。心臓の上には心臓に出入りする大血管が集まる場所があるが、その前面に張りつくようにある、縦隔にある器官である。

 左右の塊()に分かれ、どちらもひらべったい。もっとも大きいのは思春期以降で年とともに小さくなり、脂肪組織に置き換わる。体重に対する割合は新生児で最大。以後はあまり大きくならない。

 左右のは、さらにたくさんの小葉にわかれる。内部には、胸腺細胞というリンパ球がびっしり詰まる。胸腺細胞は骨髄からやってきて胸腺で成熟するとTリンパ球(=T細胞)になり、胸腺から全身に出ていく。胸腺組織の枠組みをつくり、胸腺細胞の成熟をサポートする細胞は細網細胞上皮性細網細胞)といい、胸腺にはこの細胞も多い。

カテゴリー: 循環器系 | リンパ系 | 胸部 | 器官 | 免疫系

 
 

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