縦隔

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 縦隔とは、内臓がある胸腔のうち、左右のにはさまれた中央部のこと。縦隔には、心臓や太い血管気管食道など多くの内臓がある。

言語表記発音、読み方
日本語医学縦隔じゅうかく
英語・ラテン語mediastinum(英語読み)ミディアスイナム
(ラテン語読み)メディアスティヌム
 縦隔の元々の意味は、ある場所、器官などを中央部で縦方向に2つに分ける区切りのこと。そのうち、胸腔を2つに分ける縦隔のことを主として指すようになった。他の縦隔には、精巣縦隔がある

 胸腔の中では、真ん中に縦隔があり、その両側に胸膜に包まれたがあるので、左右の胸膜にはさまれた場所が縦隔で、肺以外のすべての胸腔内臓は縦隔にある。縦隔は前部は胸骨の後方、後部は胸椎に接する。また、上は胸腔の上端である縦隔上口第1肋骨や胸骨に囲まれた穴)から下は横隔膜まで続く。大きく上縦隔縦隔上部)と下縦隔縦隔下部)に分かれ、下縦隔は心臓よりも前部(腹側)を前縦隔縦隔前部)、後部(背側)を後縦隔縦隔後部)、心臓のあるところを中縦隔縦隔中部)という。上縦隔には、心臓から出る大血管大動脈弓上大静脈など)、気管食道胸腺など、中縦隔には心臓、後縦隔には、食道、胸大動脈などがある。

カテゴリー: 胸部

 
 

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