下腿三頭筋

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 下腿三頭筋とは、下腿の後面のふくらはぎを作っている腓腹筋ヒラメ筋という2つの筋を合わせた呼び方。腓腹筋は起始が2つに分かれた二頭筋なので、ヒラメ筋をあわせると全体として三頭筋となる。停止側では、人体でもっとも太いアキレス腱(踵骨腱)としてひとつのに集まって、かかとの踵骨につく。足を底屈させる(足底の向きに屈曲させる)筋でもっとも重要。

言語表記発音、読み方
日本語医学下腿三頭筋かたいさんとうきん
英語triceps (muscle) of calf *トゥイセップス(・ッスル)・オブ・ーフ
triceps surae (muscles)トゥイセップス・スーライ(・ッスルズ)
ラテン語musculus triceps suraeムスクルス・トリケプス・スラエ
* calf は「ふくらはぎ」の意味。子牛の意味の calf とは語源の異なる別の言葉

 下腿三頭筋の3つの筋腹のうち、表層に2つ並んでいるのが腓腹筋内側頭外側頭)で、その深層にあるヒラメ筋は腓腹筋に隠れている。3つとも脛骨神経支配を受ける。血液は主として後脛骨動脈から供給される。

 下腿三頭筋のうち、ヒラメ筋脛骨腓骨の後面から起こるが、腓腹筋内側頭は、大腿骨内側上顆から、外側頭は同じく大腿骨外側上顆から起こる。腓腹筋はアキレス腱のつく踵骨踵骨隆起との間に2つの関節膝関節足関節)を挟む二関節筋である。を曲げると、腓腹筋が収縮した時の長さよりも起始と停止が近づきすぎてしまい、腓腹筋はゆるみっぱなしになるため、底屈には働けない。ヒラメ筋は膝関節の状態の影響を受けない。

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