腸間膜動脈
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
腸間膜動脈とは、腸間膜の動脈のことだが、正式な解剖学用語ではないので、少しずつ意味の違う使われ方をすることがある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 腸間膜動脈 | ちょうかんまくどうみゃく |
英語 | mesenteric artery | メッセンテリック・アーテリー |
目次 |
小腸の腸間膜の中を走る動脈 †
腸間膜という言葉は、狭い意味では「小腸の腸間膜」(=小腸間膜)のことを指す。ここには、大動脈から分かれた上腸間膜動脈が入り、枝分かれしながら通過し、小腸に血液を供給する。この小腸間膜に張り巡らされているたくさんの細い動脈を腸間膜動脈と呼ぶことがある。
広い意味の腸間膜の中を走る動脈の総称 †
腸間膜は、広い意味では、胃から結腸までの消化管にひだ状に張りだした腹膜を指す。上に挙げた小腸間膜も含む。これらの中には消化管に血液を供給する動脈がたくさん走っているが、これらの動脈すべてを腸間膜動脈と総称することがある。
上腸間膜動脈と下腸間膜動脈をあわせたもの †
上腸間膜動脈と下腸間膜動脈をあわせて、腸間膜動脈と呼ぶことがある。上腸間膜動脈と下腸間膜動脈とは、どちらも腹部に1本ずつしかない動脈で、大動脈(腹大動脈)から前方(腹側)に直接出る枝(直接枝)。上腸間膜動脈は、十二指腸、膵臓から、空腸、回腸、上行結腸、横行結腸の途中までに血液を供給する。下腸間膜動脈は、横行結腸の途中から、下行結腸、S状結腸、直腸上部まで。