蝶形骨 のバックアップ(No.2)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 蝶形骨とは、頭蓋骨のひとつで、頭部の中央付近に1コある。複雑な形をして左右に長い骨だが、中央付近が細くて左右で広がっているところが、蝶がはねを広げた形をイメージしてつけられた名前。骨の形の分類では不規則骨(不規則形骨)に含まれる。内部に含気腔があるため、含気骨でもある。

言語表記発音、読み方
日本語医学蝶形骨ちょうけいこつ
英語sphenoid boneフェノイド・ウン
ラテン語os sphenoidaleオス・スペノイダーレ

 蝶形骨をさわれる場所は、頭部の左右での間のあたりにある。蝶形骨の上面はの下面(脳底)に接する頭蓋底をつくっていて、蝶形骨の前方は眼球の入っている窪み(眼窩)の奥の壁を作っている。

  • 蝶形骨は中央で狭く、左右では前方、後方、下方に突起があって広がっている。前方への突起は小翼といい、後方への突起は大翼、下方への突起は翼状突起という。
  • 内部には副鼻腔である蝶形骨洞があるので、含気骨に分類される。
  • 蝶形骨の上面は頭蓋底をのせる部分)の中央部を作っていて、蝶形骨には下垂体がはまる下垂体窩トルコ鞍)というくぼみがある。
  • 蝶形骨は頭蓋腔(脳のある空間)と眼窩(目のある空間)の間を隔てていて、これらの2つをつなぐ穴が2つ空いている。ひとつは視神経管視神経眼動脈が通る。もうひとつは上眼窩裂で、動眼神経滑車神経眼神経三叉神経の第1枝)、外転神経がとおる。
図:蝶形骨(頭部を左から見たところ) *1
左から頭蓋をみたところ。蝶形骨は赤色(  )で表示。の間、ほお骨の突起(頬骨突起)の上のあたりで触ることができる
蝶形骨
図:蝶形骨(頭部を左から見たところ) *2
左から蝶形骨(赤色(  )をみたところ。蝶形骨が左右で広がっている部分は、前方への突起部(小翼)、後方への突起部(大翼)、下方への突起部(翼状突起)と呼ばれる
蝶形骨
図:蝶形骨(頭蓋を前から見たところ) *3
前から頭蓋をみたところ。蝶形骨は眼窩の入るくぼみ)の奥の壁をつくる(赤色    で表示)。
蝶形骨
図:後頭骨と接する骨(左斜め後ろから見たところ) *4
前から見た蝶形骨(赤色   
蝶形骨

カテゴリー: 運動器系 | 骨格系 | | 頭蓋 | 頭頚部


*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本 80x15.png
*2 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本 80x15.png
*3 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本 80x15.png
*4 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本 80x15.png
 
 

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