腸間膜 のバックアップ(No.3)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

小腸間膜でこの項目を参照しています

 腸間膜とは、のうち、腹腔の背中側の壁(=後腹壁)にくっついていない部分を、後腹壁につなぎ止めているのこと。血管神経などは、この膜の中を通って腸に出入りする。内臓脂肪が蓄積される場所でもある。

 狭い意味で、小腸間膜の意味で使うことが多い。つまり、小腸をつなぎ止めている膜のこと。もっと広い意味で、小腸間膜以外に胃間膜結腸間膜なども含め、消化管に付いている膜をまとめて呼ぶのに使うこともある。

目次
 

小腸間膜を指す場合

 小腸間膜腸間膜)とは、小腸後腹壁(内臓のある腹腔の背中側の壁)につなぎとめている膜のこと。小腸全体にあるわけではなく、小腸と後腹壁がくっついている十二指腸にはない。一方、空腸回腸は後腹壁から離れていて、腹腔内にうねうねと蛇行しておさまっている。腸間膜があるのは空腸と回腸の部分である。腸間膜の表面は両面が腹膜におおわれている。後腹壁から腹膜が伸びて小腸を包み、再び後腹膜に戻るとき、小腸と後腹壁のあいだの2層の腹膜がくっついたもの、ともいえる。

言語表記発音、読み方
日本語医学腸間膜*ちょうかんまく
小腸間膜しょうちょうかんまく
英語mesentery (of small intestine)ッセンテリー(・オブ・スモール・インテスティン)
ラテン語mesenterium dorsale communeメセンテリウム・ドルサーレ・コミュネ

 空腸と回腸をあわせるとその全長は数mになる。腸間膜はこの部分全体にあるので、小腸側では数mあるが、小腸から離れて後腹壁につながる部分では、扇子のカナメ(弧の中心)のように集まり、長さ15cmほどの部分で後腹壁とつながる。その場所は、上端が十二指腸と空腸の境界部のあたり。

広い意味の腸間膜

 広い意味の腸間膜とは、腹部の消化管についていて、その器官を後腹壁につなぎとめている膜のこと。上に挙げた空腸回腸以外で後腹壁から離れている部分には、虫垂横行結腸S状結腸などがある。これらをまとめて、腸間膜という呼び方をすることがある。

言語表記発音、読み方
日本語医学腸間膜*ちょうかんまく
英語mesenteryッセンテリー
ラテン語mesenteriumメセンテリウム

 構造は小腸間膜も他の間膜もよく似ている。

 十二指腸上行結腸下行結腸は、後腹壁にくっついているので、結腸間膜がない。

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