横隔膜 のバックアップ(No.4)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
横隔膜とは、胸(胸腔)とおなか(腹腔)の境目を作る膜状の筋肉。ぺらぺらの膜ではなくて、ちゃんと厚みのある筋肉の層である。骨格筋で、自分の意思で収縮させることができる随意筋である。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 横隔膜 | おうかくまく |
英語 | diaphragm* | ダイアフラム | |
ラテン語 | diaphragma | ディアフラグマ |
横隔膜のすぐ上側(胸腔の側)には、心臓や肺があり、横隔膜のすぐ下側(腹腔の側)には、肝臓や胃などがある。
横隔膜は、胸とおなかを仕切っているので、胸とおなかを貫通する内臓は、横隔膜を貫通している。横隔膜には、このための3つの穴が開いている。3つの穴とは、大動脈が通る大動脈裂孔、下大静脈が通る大静脈孔、食道が通る食道裂孔である。
横隔膜の機能 †
横隔膜が収縮すると、横隔膜は、腹腔の側(下側)に押し下げられるので、胸腔を広げ、腹腔を狭めるはたらきがある。
- 呼吸で息を吸うときには、肋骨の間にある外肋間筋とともに横隔膜が収縮することで、肺が外側に引っ張られるように広げられて、肺が膨む。特に腹式呼吸では横隔膜が大きな役割を果たす。
- 排便のときにおなかに力を入れるときにも収縮し、おなかの壁の筋肉(腹筋)とともに、便を腸から肛門へと押し出すのにも働く。
- 横隔膜がけいれん的に収縮するのがひゃっくりである。
横隔膜の神経支配 †
横隔膜の運動を支配している神経は、横隔神経である。横隔神経は、首の部分の脊髄(頚髄)から出る頚神経のうち、主に第3~4頚神経が集まって作る神経で、首の左右から、左右の肺の間(縦隔)を通って、横隔膜にたどり着く。
食肉の部位としては †
ハラミ、サガリと呼ばれる。