棘上筋
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
棘上筋とは、肩の後ろにある筋で、肩甲骨から上腕骨を支える筋のひとつ。肩甲骨の棘上窩からおこるのでこの名がある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 棘上筋 | きょくじょうきん |
英語 | supraspinatus (muscle) | スープラ-スパイネイタス(・マッスル) | |
ラテン語 | musculus supraspinatus, m. supraspinatus | ムスクルス・スープラスピナートゥス |
位置、起始と停止 †
棘上筋は、僧帽筋と三角筋に隠されている肩の深層の筋。背中側から棘上筋をみると、肩甲骨の背面の上部(肩甲棘より上の部分=棘上窩)から、肩に向かって進み、肩関節の外側に進む。
起始は棘上窩の広い範囲で、肩の三角筋の深層で停止腱になり、肩関節を後ろから回りこむように包み、上腕骨の大結節の上部に停止する。腱が肩関節を囲むところで、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱とあわさり肩関節を包む帯状の腱(ローテーターカフ、肩回旋筋腱板)をつくる。
働き †
棘上筋の腱は肩関節を後ろ斜め上方から回りこんで上腕骨につくので、棘上筋が収縮すると、上腕を横方向に持ち上げ(=外転)、また上腕を外向きに回転する(=外旋)働きがある。また、ローテーターカフをつくる他の筋とともに上腕骨を肩関節に引き付け、支える作用がある。
支配神経と血管 †
腕神経叢の肩甲上神経。