筋組織 のバックアップ(No.2)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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筋組織とは、動物の体を作っている組織のひとつで、4つの基本組織分類のうちのひとつ。筋(筋肉)をつくっている組織のこと。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 筋組織 | きんそしき |
英語 | muscle tissue | マッスル・ティシュー | |
muscular tissue | マスキュラー・ティシュー |
筋組織の特徴は、筋細胞からできている点。神経の興奮が伝えられることなどが引き金になって、筋細胞1個1個は、電気的に興奮すると収縮することができる。たいてい1つ1つの筋細胞が細長い形をしているので、筋細胞のことを筋線維ともいう。
この筋線維が一定の向きに配列し、筋組織全体としての長さを変え、引っ張り力をだすことができるようになっている。また筋線維1個1個が収縮しても、これらがお互いにばらばらであれば全体として力を発揮することにはならない。筋線維がその両側の構造を引っ張れるような足場をつくり、支えあっているのも特徴である。
筋組織の分類 †
筋組織にはいろいろなタイプがある。筋組織の性質の違いを元に、筋組織をいろいろ分類して考えることがある。どれもよく使われる分類。
細胞の構造:横紋筋と平滑筋 †
ひとつひとつの筋線維を顕微鏡で観察したときに、細胞内に横紋が見えるかどうかで分けた分類。横紋が見えるのを横紋筋、見えないのを平滑筋という。
収縮のコントロール:随意筋と不随意筋 †
自分の意思で自由に収縮を起こせるのが随意筋で、体が自動的に勝手にコントロールしていて、意識的に収縮させることができないのが、不随意筋。
どこにあるか:骨格筋・心筋・平滑筋 †
体の中で主にどこで使われているか、存在する場所による分類。
- 骨格筋
- ふつうにイメージする「筋肉」のことで、手足や胴体など、体の各部にある筋はみなこのタイプ。すべて横紋筋で、たいていの場合は随意筋。典型的な場合では、筋は紡錘型をしている(中央部が太く、両端がだんだん細くなる)。両端は骨(靱帯などのこともある)につながっている。筋が力を出し、筋の長さが短くなると、端につながった骨がひっぱられて動く。骨がつくっている骨格にくっついているので骨格筋という。
- 心筋
- 心臓の壁を作っている筋。横紋筋で不随意筋である。心臓の壁はほぼ筋肉だけでできた厚い壁である。心筋は、骨格筋と似ているところも多いが、細胞の形や、細胞どうしのつながり方など異なっているところもある。一部の心筋は、自分で収縮のリズムをもっていて、心臓の拍動は神経ではなく、そこから起こっている。その細胞を特殊心筋線維という。
- 平滑筋(内臓筋)
- 主に内臓などにある筋なので、内臓筋というと意味が通じやすいが、平滑筋と同じものをさしているので、ふつうは平滑筋と呼ぶ習慣。どれも自律神経によって収縮の調節を受ける不随意筋。たとえば、血管、胃や腸の壁には層をつくった平滑筋がある。また、皮膚の鳥肌をたたせるのも皮膚の毛についている平滑筋。
対応関係を整理すると下のようになる。