交感神経系 のバックアップ(No.2)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 交感神経系とは、または交感神経とは、内臓の機能などを、意識せずに自動的に調節する働きをもつ神経のグループで、もうひとつの副交感神経系とともに、自律神経系に含まれる。交感神経と副交感神経の働きは反対で、交感神経は体を活動的に、運動しやすくするように調節するのに対し、副交感神経は体を休息させ、同時に栄養の摂取や生殖などを活発化させる。交感神経も副交感神経もどちらも中枢神経系脊髄)からの指令を内臓などまで伝える遠心性末梢神経である。交感神経と副交感神経の両方に共通する内容については、自律神経系の項目を参照。

言語表記発音、読み方
日本語医学交感神経系こうかんしんけいけい
英語sympathetic nervous systemスィンパセティック・ーヴァス・スィステム

 交感神経は、体の各部を走る末梢神経系に含まれる。内臓などの他、全身の血管皮膚などにも分布している。交感神経が中枢神経からでる場所は脊髄の胸髄腰髄。これ以外の脊髄の場所やからは出ていない。交感神経は2つのニューロンを中継されて情報が伝えられる。1つめのニューロンは細胞体胸髄腰髄にあり、その神経線維は脊髄を出て、胸部から腹部にかけて分布する神経節交感神経節)に達する。2つめのニューロンの細胞体はこの交感神経節にあり、神経線維は臓器に到達する。交感神経節の位置を基準にして、1つめのニューロンを節前ニューロン、2つめのニューロンは]を節後ニューロンと呼ぶ。交感神経のシナプスで使われる神経伝達物質は節前ニューロンではアセチルコリンで、節後ニューロンではアドレナリン(=エピネフリン)である。

 交感神経節胸部から腹部にかけていくつもある。どこにあるかで2種類にわけられる。ひとつは、背骨(脊柱)の両側に、これと平行して上下に走る交感神経幹神経節で(交感神経幹神経節)、もうひとつは、背骨の前面、腹部の大動脈の周辺にある交感神経節(椎前神経節)。交感神経はこれらのどちらかで、途中中継される。腹部の内臓に向かう交感神経は主に椎前神経節で中継され、それ以外の全身に向かう交感神経は交感神経幹に神経節がある。

カテゴリー: 神経系 | 末梢神経系 | 自律神経系 | 器官系

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。