上腸間膜動脈 のバックアップ(No.3)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 上腸間膜動脈とは、大動脈から直接、枝分かれする動脈のひとつで、腹腔内臓のうち、中ほどにあるいくつかの内臓(膵臓小腸十二指腸空腸回腸)、大腸の一部(結腸の3分の2)など)に血液を供給する。

言語表記発音、読み方
日本語医学上腸間膜動脈じょうちょうかんまくどうみゃく
英語superior mesenteric arteryスーリア・メッセンリック・ーテリー
ラテン語arteria mesenterica superior(ラテン語読み)アルテリア・メッセンテリカ・スペリオール

 大動脈のうち、腹腔を通る部分を腹大動脈というが、腹大動脈からその前方にある腹腔内臓に向かって、大動脈の前面から出る枝は3本ある。上から腹腔動脈、上腸間膜動脈、下腸間膜動脈で、これらは対をなさず1本ずつしかない血管。

 上腸間膜動脈は、腹腔の上部(横隔膜の下、第1腰椎の高さ)で腹大動脈から分かれる。その近くで膵臓十二指腸に行く枝(下膵十二指腸動脈)を出したあと、腸間膜根に到達し、ここで空腸回腸に行く多数の枝(空腸動脈、回腸動脈)が分かれ、これらは腸間膜(小腸間膜)内に入っていく。また、小腸に行く枝と同じく、大腸のうち、盲腸上行結腸横行結腸に行く枝(回結腸動脈、右結腸動脈、中結腸動脈)が分かれる。

 これらの臓器から出てきた血液門脈に集まり、肝臓に流れ、肝静脈を通って大静脈に戻る。したがって、上腸間膜動脈に対応する名称の静脈、上腸間膜静脈という血管は存在しない。

 十二指腸膵臓は、腹腔動脈からも血液を受けとる。また、横行結腸の一部と下行結腸S状結腸直腸上部などは下腸間膜動脈から血液を受け取る。

カテゴリー: 循環器系 | 心血管系 | 血管 | 腹部

 
 

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