錐体路 のバックアップ(No.8)
錐体路とは、中枢神経系(脳と脊髄)にある神経伝導路(伝導路)のひとつで、筋の運動をおこす指令を、大脳皮質から脳幹や脊髄の決まった場所に伝える役割がある。脳幹や脊髄のその場所には、運動ニューロンの神経細胞体があり、運動ニューロンの神経線維は中枢神経系を出て、筋まで到達する。つまり、大脳皮質の運動の指令が筋に伝わるまでの情報の流れのうち、前半の中枢神経内の部分をになうのが錐体路、後半の末梢神経の部分をになうのが運動ニューロンである。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 錐体路 | すいたいろ |
英語 | pyramidal tract | ピラミダル・トゥラクト | |
ラテン語 | tractus pyramidalis | トゥラークトゥス・ピラミダーリス |
筋の運動を起こす刺激をつたえるので「運動性の伝導路」に含まれ、大脳皮質から脳幹、脊髄へと脳内の上方から下方に情報を伝えるので、下行性の伝導路に含まれる。
錐体路の名前は、この伝導路の主な部分が、延髄にある「錐体」という部位を通過するから。大脳皮質の錐体細胞とは別。
錐体路をつくっているニューロンは、大脳皮質の運動中枢(運動領、運動野)に神経細胞体があり、その神経線維(軸索)が集まって太い束をつくって長くのび、脳幹や脊髄まで直接とどく。錐体路のうち、神経線維の行き先が脊髄のものを「皮質脊髄路」という。脳幹のどこか(中脳、橋、延髄)でおわるものを「皮質核路」という。皮質脊髄路は首から下の筋の運動、皮質核路は首から上の筋の運動を起こす。
錐体路は大脳皮質と脊髄や脳幹をつなぐ際、途中で左右の線維が入れ替わる。これにより、右側の大脳半球にある運動中枢は左の脊髄や脳幹とつながり、左側の大脳半球にある運動中枢は右の脊髄や脳幹とつながる(反対側支配)。
- 皮質核路の線維では、脳幹のなかで延髄よりも大脳の近く(中脳、橋)で終わるものもあるので、その場合、錐体路とは言いながら、実際には延髄の錐体を通らないこともある - 皮質核路の線維は大脳皮質とは左右の反対側の脳幹がつながるだけでなく、左右入れ替わらず、同じ側にもつながっている場合が多い(両側支配) - 皮質脊髄路だけを指して「錐体路」と呼ぶ使い方をすることもある |
脳幹や脊髄の運動ニューロンに、運動をおこす情報を伝える経路には錐体路以外にも、いくつかある。錐体路以外のすべてをまとめて錐体外路系として扱うことがある。