内分泌
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
エンドクリンでこの項目を参照しています
内分泌とは、細胞や腺からの分泌の形式のひとつで、分泌物がどこに分泌されるかで分けたとき、体内に分泌される形式のこと。
* 日本語の用語としてはエンドクリン、エンドクラインはふつうはあまり使わない ** endocrine の endo- は、内部の、内側の、の意味。crine は、分泌することをさす |
ふつう細胞のまわりのすきまに分泌され、その近所の毛細血管に流れ込み、血流に乗って体内を巡る。これに対して、体外または体外とつながっている場所に分泌するのを外分泌と呼ぶ。体外とつながっている場所とは、消化管(口と肛門でつながっている)、気管や肺、子宮や膣、尿道…など。
パラクリン、オートクリンとの違い †
(ちょっと細かい話) もともと、内分泌は、外分泌と対になる言葉で、体内に分泌する現象をすべて含む意味の言葉だった。しかし、のちにパラクリン、オートクリンという、どちらも体内に分泌する別の形式が提唱されたので、内分泌の意味をちょっと狭くして使うことが多い。
- (広い意味の)内分泌(エンドクリン)
- 体内に分泌するもの
- (狭い意味の)内分泌(エンドクリン)
- 体内に分泌するもののうち、分泌物が血液中に流れ込み、体内の離れた箇所に届いて作用するとき(例:ホルモン)
- パラクリン(傍分泌)
- 分泌物が、 分泌した細胞のすぐ近くの細胞に作用するとき。つまり、血液の流れに乗らないでも到達するとき
- オートクリン(自己分泌)
- 分泌物が、分泌した細胞そのものに作用するとき