肺 のバックアップ(No.2)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
肺とは、体内にある空気の袋のような器官で、血液に溶けこんだ空気を入れ換える(=ガス交換)働きがある。胸部に左右1対ある。
肺は呼吸器に分類される器官で、空気が体内を肺まで送られるときの通り道の器官(=気道)とあわせて、呼吸器系という。
肺のある場所は胸腔といい、肋骨などによってつくられる胸郭に囲まれる。胸腔の中央部が、心臓や血管が通る縦隔で、その左右に肺がある。肺に出入りする太い管は、気管支、肺動脈、肺静脈でこれらは肺の縦隔の側からまとまって出入りする。その場所は肺門。
肺の内部は、肺胞という無数の小部屋に分けられる。ガス交換は主に肺胞で行われる。肺胞に空気が届く時に通る道が肺に入った気管支から枝分かれする。これは、1つの肺を大木に例えると、無数の葉が肺胞で、大木の幹から枝のように気管支がつながるイメージ。動脈や静脈も気管支同様に枝分かれして、肺胞の非常に薄い壁をとおる毛細血管になる。