鼻腔 のバックアップ(No.7)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 鼻腔とは、の穴の中の空洞のこと。にある鼻の穴(=外鼻孔)から始まり、いちばん奥はのどの上端(=咽頭上部)につながる。につながる気道の最初の部分で、呼吸器系に含めて考える。においを感じる場所があるので嗅覚感覚器でもある。

言語表記発音、読み方
日本語医学鼻腔びくう*
医学以外びこう
一般鼻の中はなのなか
英語nasal cavityイザル・キャヴィティ
ラテン語cavitas nasiカウィタス・ナーズィ
cavum nasiカウム・ナーズイ
* 「」を「くう」と読む読み方は、医学の分野だけで行われる読み方で、辞書には載っていない。それ以外の分野では、「びこう」と読む

 鼻腔は左右の幅が狭く、上下には長い空洞。中央(=正中)に薄い壁(鼻中隔)があり、左右の鼻腔は隔てられている。鼻腔の両外側の壁は3段の棚のように張り出していて上・中・下鼻甲介という。それぞれの下の空間が上・中・下鼻道という、空気の主な通り道である。それぞれの鼻甲介と鼻中隔はわずかなすき間を残すように近づいていて、空気が狭いところを通るうちに体温に近付き、湿気が与えられるようになっている。もっとも後部では左右の上・中・下鼻道が合わさり1つの空間になり、咽頭上部へ続く後鼻孔となる。

鼻粘膜

 鼻腔に面した表面は鼻粘膜という粘膜に覆われている。また、粘膜下には鼻腺という外分泌腺がある。鼻粘膜は鼻腔内の場所によって違っている。

鼻粘膜呼吸部
 鼻腔内のほとんどの鼻粘膜がこれ。呼吸部の粘膜は多列線毛上皮で覆われている。粘液を分泌する細胞が多く、その粘液で表面が覆われる。この上皮は気管などの気道の上皮と同じ。
鼻粘膜嗅部
 鼻腔のもっとも上部にある、においを感じるごく狭い場所。鼻粘膜呼吸部の上皮に似ているが、その中ににおいを感じる嗅細胞がまざり、この細胞から大脳まで神経線維が伸びて、嗅神経を作る。
鼻粘膜皮膚部
 外鼻孔(鼻の穴)の近くの狭い場所は鼻前庭と呼ばれるが、その粘膜は皮膚と同じような角化重層扁平上皮で覆われるので、こう呼ばれることがある。

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<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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