指 のバックアップ(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

手指足指第1指第1足指でこの項目を参照しています

手や足のそれぞれの指の呼び方については、手指足指にあります

 とは、の一部で、上肢下肢のもっとも先端(遠位)にあたる、細い突起の部分のこと。ヒトでは片側の手や足に指は5本ずつあるので、合計で20本の指がある。

言語表記発音、読み方
日本語医学指 (*1)ゆび
英語digit (*2)ディズィット
英語形容digititalディズィタル
ラテン語digitus(ラテン語読み)ディギトゥス
(英語読み)ディズィタス

*1  「指」という言葉は、手の指(=手指)と足の指(=足指)の両方を含む意味で使うこともあるし、「指」といったら、自動的に手の指のことを指し、足の指のときにだけ「足の指」、「足指」などと呼んで手の指と区別することもある。足指を1文字で表す という漢字もある。
*2  digit は堅苦しい英語。会話では使わない。手の指はfinger、thumb、足の指は toe など別の呼び名がある。手指足指の項目を参照

指の構造と骨・関節

 指の根元と指の途中には関節があるので、その場所で曲げ伸ばしができる。指の関節から関節までの間を指節(しせつ)という。親指(母指)以外の指では、1本の指の関節の数は、根元に1箇所、途中に2箇所の計3つで、これらに区切られた3つの指節がある。3つの指節を指の根元から順に、基節中節末節という。

 指の内部にあるを、まとめて指骨(しこつ)という。3つの指節の中にはそれぞれ1つずつ指骨が入っているが、これを指節骨という。基節、中節、末節にある指節骨を、基節骨中節骨末節骨という。

 指の根元の関節は、手と足で呼び方が違う。これは基節骨と関節を作っている骨の名前が手と足で違うから。手では、手の甲(手背)の骨である中手骨と基節骨とがつくっているので、中手指節関節(MP関節またはMCP関節)という。足では、足の甲(足背)の骨である中足骨と基節骨とがつくっているので、中足指節関節(MP関節またはMTP関節)という。

 指節骨どうしの間の関節を、指節間関節(IP関節)という。2つある指節間関節のうち、基節骨と中節骨の間の関節を近位指節間関節(PIP関節)、中節骨と末節骨との間の関節を遠位指節間関節(DIP関節)と呼んで区別する。

 母指では、指の途中の関節は1つ、指節は2つで、ほかの指よりも1つずつ少ない。指節骨の名前は、中節骨がなく、基節骨と末節骨とが関節を作っている。この関節は、たんに指節間関節という。

 骨や関節の数は、手の指も足の指も全く同じで、名前の付け方だけが違う。

手と足の両方をさすとき手だけをさすとき足だけをさすとき
指骨(手の)指骨(手指骨)「足の指骨」(足指骨)または趾骨(しこつ)
指節骨(手の)指節骨「足の指節骨」または趾節骨(しせつこつ)
指節間関節(手の)指節間関節「足の指節間関節」または
趾節間関節(しせつかんかんせつ)

その他

  • 指のような形、つまり、先がいくつかに分かれて突き出されているものを指状突起(しじょうとっき)という。
 

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<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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