顆粒層
顆粒層とは、いろいろな器官で使われている呼び名で、その部位がいくつかの層に分かれているとき、内部に粒々したものが詰まっている層に付けられる名前。英語名は器官によって異なる。
粒々しているものの正体は器官により違うが、たいていの場合、小型の細胞がびっしり詰まっている層。この場合、染色した組織切片で細胞の核が染色され、粒々に見える。
目次 |
表皮の顆粒層 †
皮膚の表皮の顆粒層とは、表皮の層のうちのひとつ。いちばん表面側の角質層(角化層、角層)の近くにある薄い層。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | (表皮の)顆粒層 | (ひょうひの)かりゅうそう |
英語 | granular layer (of epidermis) | グラニュラー・レイヤー(・オブ・エピダーミス) | |
ラテン語 | stratum granulosum (epidermidis) | ストゥラートゥム・グラヌロースム(・エピデルミディス) |
顆粒層の細胞には、細胞質に顆粒状のものが詰まって見えることからこう呼ばれる。 この顆粒はケラトヒアリン顆粒で、ケラチンなどの蛋白質が集まったもの。この層で細胞の角質化がはじまっていることを示す。
卵胞の顆粒層 †
卵胞の顆粒層とは、女性の卵巣で卵細胞を取り囲む卵胞の内部にある層。顆粒膜ともいう。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | (卵胞の)顆粒層 | (らんぽうの)かりゅうそう |
(卵胞の)顆粒膜 | (らんぽうの)かりゅうまく | ||
英語 | granulosa cell layer (of ovarian follicle) * | グラニュローサ・セル・レイヤー(・オブ・オヴァリアン・フォリクル) | |
granulosa * | グラニュローサ | ||
ラテン語 | membrana granulosa (ovarii) | メンブラーナ・グラヌローサ(・オウァリイ) |
* | granulosa は、ラテン語 granulosum の複数形 |
休眠中の小さな原始卵胞が排卵に向けて成長をはじめるとき、卵細胞のまわりの卵胞上皮細胞(卵胞細胞)が分裂して増えていく。はじめは卵細胞を1層で囲むが、細胞が増えて重層化した卵胞上皮を顆粒層という。顆粒層をつくる卵胞上皮細胞を顆粒層細胞(顆粒膜細胞)という。
小脳皮質の顆粒層 †
小脳皮質の顆粒層とは、小脳の皮質にある神経細胞がつくる3層のうちのいちばん深いところ(小脳髄質の側)にある層。顆粒細胞(小顆粒細胞)という小型の神経細胞が詰まっている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | (小脳の)顆粒層 | (しょうのうの)かりゅうそう |
英語 | granular layer (of cerebellum) | グラニュラー・レイヤー(・オブ・セルベラム) | |
ラテン語 | stratum granulosum (cerebelli) | ストゥラートゥム・グラヌロースム(・ケレベリ) |
網膜の顆粒層 †
眼球の網膜には、外顆粒層、内顆粒層という層がある。これらは網膜の中で、細胞の核が集まっている層で、外顆粒層には錐体、杆体などの視細胞の核があり、内顆粒層には双極細胞、アマクリン細胞などのニューロンや、グリア細胞のミュラー細胞などの核がある。網膜には細胞の核が集まってつくられる層がもうひとつあるが、それは視神経細胞層(または神経節細胞層)。