下腿三頭筋 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
下腿三頭筋とは、下腿の後面のふくらはぎを作っている筋。腓腹筋とヒラメ筋という2つの筋を合わせた呼び方。腓腹筋は起始が2つに分かれた二頭筋なので、ヒラメ筋の分をとあわせると全体として三頭筋となる。停止側では、人体でもっとも太い腱、アキレス腱(踵骨腱)としてひとつの腱に集まって、かかとの踵骨につく。足を底屈させる(足底の向きに屈曲させる)筋でもっとも重要。
下腿三頭筋の3つの筋腹のうち、表層に2つ並んでいるのが腓腹筋(内側頭と外側頭)で、その深層にあるヒラメ筋は腓腹筋に隠れている。3つとも脛骨神経の支配を受ける。血液は主として後脛骨動脈から供給される。
下腿三頭筋のうち、ヒラメ筋は脛骨と腓骨の後面から起こるが、腓腹筋の内側頭は、大腿骨の内側上顆から、外側頭は同じく大腿骨の外側上顆から起こる。腓腹筋はアキレス腱のつく踵骨の踵骨隆起との間に2つの関節(膝関節と足関節)を挟む二関節筋である。膝を曲げると、腓腹筋が収縮した時の長さよりも起始と停止が近づきすぎてしまい、腓腹筋はゆるみっぱなしになるため、底屈には働けない。ヒラメ筋は膝関節の状態の影響を受けない。
足底筋は、腓腹筋とヒラメ筋の間にある非常に細い筋で、下腿三頭筋と近い関係にある筋。起始が腓腹筋の外側頭と同じく大腿骨の外側上顆で、その腱はアキレス腱の内側に合わさる。