迷走神経 のバックアップ(No.3)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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- 1 (2010-06-27 (日) 11:09:22)
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- 3 (2018-01-10 (水) 21:55:34)
迷走神経とは、脳神経のうち、第X(10)脳神経である。脳幹の延髄から出る混合性の脳神経で、のどの感覚と運動を支配する成分と、自律神経の副交感神経として、のどだけではなく、胸部や腹部まで内臓を支配する成分から構成される。胸腹部でどこにつながっているかわからないぐらいいろいろなところに行っていることから、「迷走する神経」の名前がつけられた。反回神経は迷走神経の枝のひとつ。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 迷走神経 | めいそうしんけい |
第10脳神経、第X脳神経 | だい10のうしんけい | ||
略語 | CN X | スィ―・エヌ・テン | |
英語 | vagus nerve | ヴェイガス・ナーヴ | |
tenth cranial nerve, cranial nerve X | テンス・クレイニアル・ナーヴ | ||
ラテン語 | nervus vagus | ネルウス・ウァグス |
迷走神経は、延髄を出たあと、すぐとなりを走る舌咽神経と副神経とともに、頚静脈孔を通って頭蓋からでると、内頚静脈に並走し頚部を下降する。上喉頭神経や反回神経が分かれた後、胸部では縦隔を通る。
反回神経は、迷走神経の枝のひとつで、のど、特に喉頭の下部に向かう際、一旦胸部まで降りてからUターンして(反回して)喉頭に上がるのでこの名がある。反回神経は、右側では肋頸動脈を、左側では大動脈弓を回り込んで上に向きを変える。
迷走神経の運動性神経は、のど(口蓋、咽頭、喉頭)のほとんどの筋の運動を支配している(口蓋帆張筋、茎突咽頭筋など、例外はある)。運動ニューロンの細胞体があるのは延髄の疑核。
迷走神経の感覚性神経は、のどの下半分(咽頭下部と喉頭)の粘膜の感覚と、喉頭蓋付近の味覚などを支配する。神経細胞体があるのは迷走神経の途中にある下神経節で、この神経線維は延髄の孤束核に達する。
迷走神経の自律神経(副交感神経)は、頚部、胸部、腹部の内臓や血管などを支配し、平滑筋の収縮や腺の分泌を行わせる。この自律性線維の細胞体があるのは、迷走神経背側核。