括約筋

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 括約筋とは、の走り方と役割による分類のひとつ。管(くだ)状あるいは袋状のものがあるとき、そのまわりをぐるっと取り巻いている筋で、その筋が収縮すると管や袋の内径が縮まったり、さらに閉じたりする働きを持っている筋のこと。反対の働き(管や袋を広げる)の筋は、散大筋という。

言語表記発音、読み方
日本語医学括約筋かつやくきん
英語sphincter muscleフィンクター・ッスル
sphincterフィンクター

 括約筋には、意識的に収縮できる骨格筋でできている括約筋と、自律神経などによって無意識的に調節されている平滑筋(内臓筋、不随意筋)でできている括約筋がある。場所によって決まっている。

括約筋の例

肛門括約筋
肛門にあり、直腸肛門の壁を取り巻いていて、排便の調節をする。肛門の出口の近くにあるのが排便をがまんするときなどに使う骨格筋の外肛門括約筋で、その奥には普段収縮している平滑筋の内肛門括約筋がある。
尿道括約筋
尿生殖隔膜部の尿道の壁にあり、排尿の調節をする。外尿道括約筋ともいい、排尿をがまんするときに使う骨格筋。
幽門括約筋
の出口の幽門にあり、胃にためられた食べ物を小腸十二指腸)に送る調節をする。平滑筋。
オッディの括約筋
胆汁膵液が十二指腸に流れ込むのを調節する。十二指腸の大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)にある。胆膵管膨大部括約筋ともいう。平滑筋。
瞳孔括約筋
で、瞳孔を囲む虹彩にあり、瞳孔の直径を小さくする。明るいところで眼に入る光の量を抑える働き。

カテゴリー: 運動器系 | 筋系 |

 
 

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